こんにちは!
暮らしの「ちょっと困った」を解決、柴山金物店です。

ボルトやナットを締めるときにセットで見かける「スプリングワッシャー」。
名前は知っていても、実際にどういう効果があるのか疑問に思ったことはありませんか?
「とりあえず付けているけど、本当に意味あるの?」
「ワッシャーを入れるだけでゆるみ止めになるの?」
現場でもこうした声はよく耳にします。スプリングワッシャーは、“ボルトのゆるみを防ぐための部品”として広く使われていますが、その効果については誤解されている部分も多いのが実情です。実際にはスプリングワッシャー単体で完璧にゆるみを防げるわけではなく、使い方や組み合わせによって効果が変わるアイテム。正しく理解して使えば意味のある部品ですが、間違った認識のままだと「ただ挟んでいるだけ」になってしまうこともあります。
この記事ではスプリングワッシャーの形状と仕組み、役割や効果、そして使うときの注意点をわかりやすく解説します。「本当に必要なの?」という疑問がスッキリする内容になっていますので、ぜひ参考にしてください。
目次
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スプリングワッシャーとは?形状と仕組み
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なぜ使うの?スプリングワッシャーの役割
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実際に効果はある?ゆるみ止め性能について
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使うときの注意点(場所・組み合わせ)
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まとめ:スプリングワッシャーは正しく使えば意味がある
1.スプリングワッシャーとは?形状と仕組み

スプリングワッシャーとは、ボルトとナットを締め付けるときに一緒に使う「ゆるみ止め用の座金(ざがね)」の一種です。普通の平ワッシャーとは異なり、輪が一部切れていて、斜めにねじれているのが特徴。この“ねじれ”によってバネのような力が働き、ボルト・ナットを締め付けた状態で押し付け合い、ゆるみにくくする仕組みになっています。
形状の特徴
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切れ目が入っている:リング状の一部が割れていることで、完全な円ではない。
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斜めに反っている:切れ目部分が少し段差になり、平らに置くと斜めに浮く形状。
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スプリング効果:締め付け時にバネのように押し付ける力が加わる。
取り付け方
スプリングワッシャーは、基本的にボルトの直下(またはナットの直上)に入れて使用します。
順番は以下の通りです。
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ボルト
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スプリングワッシャー
- 平ワッシャー
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取り付ける部材
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ナット
こうすることで、スプリングワッシャーのバネ力で接触面の摩擦を増やし、振動などによるゆるみを抑えます。
平ワッシャーとの違い

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平ワッシャー:部材を保護したり荷重を分散させる目的
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スプリングワッシャー:ゆるみ止め目的でバネの力を利用
見た目は似ていますが役割が大きく異なります。
2.なぜ使うの?スプリングワッシャーの役割
スプリングワッシャーの役割は、ずばりボルト・ナットのゆるみを抑えることです。ただし「押さえつけて固定する」というよりも、摩擦を増やすことでゆるみにくくするのが本質です。
ゆるみが発生する原因
ボルト・ナットがゆるむのは以下のような理由によります。
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振動や衝撃でナットが少しずつ回転してしまう
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温度変化によって金属が膨張・収縮し、締め付けが緩む
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荷重の偏りで締め付け力が不均等になる
このような状況では普通に締めたナットも時間とともに緩んでしまうのです。
スプリングワッシャーの働き
スプリングワッシャーは切れ目と反りのある形状によってバネ力を発揮し、接触面に追加の摩擦を生み出します。
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バネの反力で押し広げる力が働き、摩擦を高める
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これにより、振動や衝撃でナットが回転しにくくなる
つまりスプリングワッシャーは摩擦を増やすことで“ゆるみにくさ”を補強する存在です。
役割のまとめ
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振動や衝撃によるゆるみを軽減する
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ボルトとナットの間で摩擦を増やす
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補助的な“ゆるみ止め”として機能する
3.実際に効果はある?ゆるみ止め性能について
スプリングワッシャーは「ゆるみ止め」として広く使われていますが、実際にはその効果について賛否があります。結論から言うと、一定の効果はあるが万能ではないというのが正しい理解です。
一定の効果がある理由
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バネの反力で摩擦を増やしナットの回転を妨げる
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接触面に食い込むことで簡単には回らないように作用する
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軽度の振動や衝撃であれば十分にゆるみ防止になる
👉 つまり「補助的なゆるみ止め」としては機能します。
効果が限られる理由
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強い振動環境(機械や車両など)に対し、スプリングワッシャー単体ではゆるみを完全には防げない
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金属の弾性力だけに頼っているため、長期間使うと摩耗や変形で効果が落ちる
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高強度ボルト(強く締め付けるタイプ)では、バネ力が相対的に弱くなりほとんど意味を持たない場合がある
他のゆるみ止めとの比較
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ナイロンナット(Uナット)・・・樹脂リングでがっちり固定。効果はスプリングワッシャーより高い。
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ダブルナット(二重ナット)・・・ナット同士で回転を抑える。信頼性が高い。
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ねじロック剤(緩み止め接着剤)・・・ネジ山に塗って固定する。強い振動環境でも有効。
👉スプリングワッシャーは「お手軽で安価な補助部品」という立ち位置であり、強力なゆるみ止めが必要な場面では他の方法が選ばれます。
まとめると
スプリングワッシャーは「ちょっとしたゆるみ防止」には役立ちますが過信は禁物。効果を最大限に活かすには、取り付ける場所や条件を考えて使うことが大切です。
4.使うときの注意点(場所・組み合わせ)
スプリングワッシャーは“お手軽なゆるみ止め”として便利ですが、正しい使い方をしないと期待した効果が得られません。ここでは使用時の注意点を整理しておきましょう。
① 使用場所に注意
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軽度の振動や衝撃がある環境では効果あり
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強い振動が繰り返される環境(エンジン部、重機など)では効果が限定的
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高強度ボルト(10.9や12.9クラス)では締め付け力が大きいためスプリングワッシャーの弾性はほとんど機能しない
👉「軽めの締結」や「補助的な用途」で使うのがベストです。
② 平ワッシャーとの組み合わせ
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スプリングワッシャーは基本的にボルトの直下に入れます。
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平ワッシャーと併用する場合は順番に注意。
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ボルト→スプリングワッシャー→平ワッシャー→ナット
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こうすることで平ワッシャーで部材を保護しつつ、スプリングワッシャーでゆるみ止め効果を加えられます。
③ 表面処理や材質に注意
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めっき処理がされていないスプリングワッシャーは、屋外や湿気の多い場所ではサビやすい
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ステンレス製や表面処理済みのものを選べば、耐久性がアップします
④ 過信しない
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スプリングワッシャー“だけ”に頼らず、必要に応じてダブルナットやロックナット、ねじロック剤を併用するのが理想です。
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特に安全性が求められる部分(車両、機械の可動部など)では、必ず他の方法と組み合わせましょう。
注意点まとめ
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強振動や高強度ボルトには不向き
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平ワッシャーと一緒に使う場合は順番に注意
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サビやすい環境では材質に配慮
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他のゆるみ止めと併用するのが安心
まとめ:スプリングワッシャーは正しく使えば意味がある
スプリングワッシャーはボルトやナットが振動や衝撃でゆるむのを軽減するための補助部品です。形状の工夫によって摩擦を増やし、軽度のゆるみ防止には効果があります。ただし万能ではありません。強い振動環境や高強度ボルトの締結ではほとんど効果が期待できず、あくまで「補助的なゆるみ止め」という位置づけで考える必要があります。
そのため用途や条件によっては「ダブルナット」「ロックナット」「ねじロック剤」など他のゆるみ止めと組み合わせるのが安心です。
要点を整理すると――
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軽度のゆるみ防止には効果あり
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強い振動環境では過信禁物
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平ワッシャーや他のゆるみ止めと組み合わせるのがおすすめ
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材質や使用場所を考えて選ぶのが大切
つまりスプリングワッシャーは「ただなんとなく使う」のではなく、適材適所で使えば確かに意味がある部品です。
スプリングワッシャーやボルト・ナット類を実際に手に取って確認したい方、どの部材を選べばいいか迷っている方は、ぜひ【柴山金物店】へご相談ください。当店では現場で必要とされるボルト・ナット・座金・・・etc.幅広く取り揃えており、プロの職人さんからDIY初心者の方まで、それぞれの用途に合わせて最適な商品をご提案します。
「ゆるみ止めってどうすればいいの?」と疑問に思ったときは、どうぞお気軽にお立ち寄りください。
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